日本で一緒に暮らしたい!家族滞在ビザについて徹底解説

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外国人が就労ビザなどの在留資格を取得して、日本で生活をする場合、海外住んでいる妻と一緒に日本に住めないのか?と疑問に感じることがあると思います。

そのような場合、一般的には海外に住んでいる家族は、「家族滞在」のビザを取得すれば日本に来ることができるようになります。

そこで、今回は「家族滞在」ビザについて詳しく解説をしていきます。

皆様の参考になれば幸いです。

在留資格については、以下の記事も参考にしてください。↓
外国人の在留資格についてわかりやすく解説します!

家族滞在ビザとは?

家族滞在ビザとは?

「家族滞在」ビザは、一定の在留資格を持って日本で生活をしている外国人の扶養家族を受け入れるために設けられた在留資格です。

日本人と外国人が結婚した場合は、「日本人の配偶者等」ビザを取得することができますので、以下の記事を参考にしてください。↓
外国人と国際結婚!日本人の配偶者等ビザを徹底解説

家族滞在ビザに該当する活動とは?

「家族滞在」ビザに該当する活動は以下のものであるとされています。↓

「教授,芸術,宗教,報道,高度専門職,経営・管理,法律・会計業務,医療,研究,教育,技術・ 人文知識・国際業務,企業内転勤,介護,興行,技能,文化活動,留学の在留資格をもって在留する者 の扶養を受ける配偶者又は子として行う日常的な活動」

親や兄弟姉妹は含まれていないことに注意

上記該当する活動でも記載した通り、「家族滞在」の在留資格を取得するためには、「扶養を受ける配偶者又は子」であることが必要です。

つまり、日本に来ている外国人が「自分の両親」や「妻の両親」を「家族滞在」ビザで日本に呼び寄せたいと思っても、原則的には取得は困難になります。

そのため、両親などには「短期滞在」ビザなどで日本に来てもらうことになります。

ただし、高齢の両親が海外で「身寄りもなく、一人で暮らしている」など人道上の理由がある場合は、「特定活動」ビザで取得することで、日本で生活をすることができる可能性があります。

家族滞在の対象となる「子」について

出入国管理及び難民認定法では、在留資格の「家族滞在」の対象として単に「子」とされているので、「家族滞在」ビザの対象となる「子」には、嫡出子のほか養子や認知された非嫡出子も含まれています。

家族滞在ビザは原則就労ができない

家族滞在ビザは原則就労ができない

「家族滞在」ビザは、原則的に正社員で働いたり、自身でビジネスを行う等の就労を行うことができません。

ただし、扶養されることを前提に「資格外活動の許可」を取得することにより、働くことができる時間などに制限は課されますが、「パート」や「アルバイト」などで働くことができるようになります。

「資格外活動の許可」については以下の記事を参考にしてください。↓
資格外活動って何?留学生をアルバイトで雇用するときの注意点

家族滞在ビザを申請する時のポイント

家族滞在ビザを申請する時のポイント

「家族滞在」ビザを申請する時のポイントについて以下に書いていきます。

家族を扶養できる経済力があること

「家族滞在」ビザは、「家族が扶養を受ける」ことが前提です。

そのため、扶養するものに扶養の意思があり、扶養することが可能な資金的な裏付けを有することを認められなければなりません。

そのため、扶養するものの「在職証明書」「課税証明書」「預貯金の残高証明」などで扶養するための経済力があることを立証していくことになります。

まと、当然「家族関係を証明」できる「婚姻関係証明書」や「出生証明書」などの提出も求められます。

同居が前提であること

「家族滞在」ビザは、扶養されることが前提としてありますので、当然「家族は同居」していることが前提です。

また、子供の場合は、扶養者の監護養育を受けている状態であることが必要です。

つまり、経済的に独立している配偶者や、子供の場合は同居をする場合であっても「家族滞在」ビザを取得することができませんので注意が必要です。

家族滞在ビザの申請方法は?

家族滞在ビザの申請方法は?

家族滞在ビザは、住所地を管轄する地方入国管理局官署で申請することになります。

以下に「家族滞在」ビザの申請に必要な書類を書いていきます。

1 在留資格認定証明書交付申請書 1通 (在留資格認定証明書交付申請書のひな形)

2 写真(縦4cm×横3cm) 1葉
※申請前3か月以内に正面から撮影された無帽,無背景で鮮明なもの。
※写真の裏面に申請人の氏名を記載し,申請書の写真欄に貼付して下さい。

3 返信用封筒(定形封筒に宛先を明記の上,392円分の切手(簡易書留用)を貼付したもの) 1通

4 次のいずれかで,申請人と扶養者との身分関係を証する文書
(1) 戸籍謄本 1通
(2) 婚姻届受理証明書 1通
(3) 結婚証明書(写し) 1通
(4) 出生証明書(写し) 1通
(5) 上記(1)~(4)までに準ずる文書 適宜

5 扶養者の在留カード(在留カードとみなされる外国人登録証明書を含む。)又は旅券の写し 1通

6 扶養者の職業及び収入を証する文書
(1) 扶養者が収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行っている場合
a.  在職証明書又は営業許可書の写し等 1通
※扶養者の職業がわかる証明書を提出してください。

b.  住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの) 各1通
※ 1月1日現在お住まいの市区町村の区役所・市役所・役場から発行されます。
※ 1年間の総所得及び納税状況(税金を納めているかどうか)の両方が記載されている証明書であれば,いずれか一方でかまいません。
※ 入国後間もない場合や転居等により,お住まいの区役所・市役所・役場から発行されない場合は,最寄りの地方入国管理官署にお問い合わせ下さい。

(2) 扶養者が上記(1)以外の活動を行っている場合
a. 扶養者名義の預金残高証明書又は給付金額及び給付期間を明示した奨学金給付に関する証明書 適宜
b. 上記aに準ずるもので,申請人の生活費用を支弁することができることを証するもの 適宜

7 身分を証する文書(身分証明書等) 提示

※上記7については,代理人,申請取次者若しくは法定代理人が申請を提出する場合において,申請を提出することができる方かどうかを確認させていただくために必要となるものです。

家族滞在ビザ取得後に注意すること

家族滞在ビザ取得後に注意すること

「家族滞在」ビザを取得した後に、家族が注意しておくことについて以下に書いていきます。

①離婚や死別した場合

「家族滞在ビザ」で夫又は妻が日本に滞在することができるのは、その婚姻が法律上有効に存続していることが必要になります。

そのため、離婚したものや死別した場合は、そのまま「家族滞在」ビザで日本に滞在することができなくなります。

したがって、「技術・人文知識・国際業務」ビザなど他の在留資格に変更可能か検討する必要があります。

「技術・人文知識・国際業務」ビザについては、以下の記事を参考にしてください。↓
徹底解説!「技術・人文知識・国際業務」の7つのポイント

高校卒業後に日本で就労する場合は「定住者」ビザに変更できることも

子供が「家族滞在」ビザで日本で生活をしている場合、以下の条件に該当するケースでは、「家族滞在」ビザから「定住者」ビザに変更が認められます。

①現在、在留資格「家族滞在」で日本に滞在していること。

②日本において義務教育の大半を修了していること。
※小学校中学年までに来日し、小学校・中学校及び高等学校を卒業する方が対象となります。(少なくとも、小学校4年生のおおむね1年間を在学し、その後引き続き在学していることが必要です。)

③就労先が決定又は内定していること。
※資格外活動許可の範囲(1週について28時間)を超えて就労する場合に対象となります。

④住居地の届出等、公的義務を履行していること。

子供が上記4つの要件を満たしている場合は、「家族滞在」ビザから「定住者」ビザに変更をすることができます。

高校卒業後に「家族滞在」ビザから「定住者」ビザの変更については、以下の記事で詳しく解説をしています。↓
高校卒業後、子供が家族滞在ビザから定住者に変更できる場合

また、法務省のホームページにも概要が掲載されています。↓
法務省のホームページ

まとめ

家族滞在ビザについてのまとめ

就労ビザ等で日本に来ている外国人が、家族と一緒に暮らしたい時には「家族滞在」ビザを申請することになります。

「家族滞在」ビザの知識をしっかりと持つことによって、知らない間に「不法就労」などをしていた。ということにならないようにしていくことが大切です。

今回の記事が皆様の参考になれば幸いです。

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