高校卒業後、子供が家族滞在ビザから定住者に変更できる場合

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父母と一緒に日本に「家族滞在」ビザで来た子供が、日本の高校を卒業して、そのまま日本で就職する場合は、出入国管理及び難民認定法では、通常「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に変更する必要があります。

しかし、上記状況によって日本に来た子供の場合、「技術・人文知識・国際業務」ビザに変更するための学歴要件などを満たすことができないため、変更が認められないことになります。

しかし、日本の義務教育の大半を修了した外国人の場合、「定住者」ビザに変更することができる可能性があります。

また、義務教育の大半を修了していない場合でも、一定の要件を満たすことができれば、就労することができる「特定活動」ビザに変更できる可能性があります。

そこで、今回は、「家族滞在」ビザで日本に来た子供が「定住者」ビザなどに変更できる場合について考えていきたいと思います。

皆様の参考になれば幸いです。

「家族滞在」ビザについては、以下の記事でも詳しく解説しています。↓
日本で一緒に暮らしたい!家族滞在ビザについて徹底解説

高校卒業後に家族滞在から定住者に変更できる場合

高校卒業後に家族滞在から定住者に変更できる場合

「家族滞在」ビザで日本に来た子供が高校卒業後に「定住者」ビザに在留資格を変更するためには、以下の要件を満たしている必要があります。

1、現在,在留資格「家族滞在」で我が国に滞在していること

2、日本において義務教育の大半を修了していること

3、日本の高等学校を卒業していること又は卒業見込であること

4、就労先が決定(内定を含む)していること

5、住居地の届出等,公的義務を履行していること

上記5つの要件を満たしている場合は、「家族滞在」ビザから「定住者」ビザに変更することができます。

家族滞在から定住者ビザに変更する時の注意点

上述した通り、5つの要件を満たしていることが「家族滞在」ビザから「定住者」ビザに変更するために必要ですが、注意しなければいけないことがあります。

小学校中学年までに来日していること

子供が「家族滞在」ビザから「定住者」ビザに変更するためには、小学校中学年までに日本に来日していることが必要になります。

つまり、小学校中学年までに来日し、小学校・中学校及び高等学校を卒業する方が対象となります(少なくとも小学校4年生のおおむね1年間を在学し、その後引き続き在学していることが必要になるということです。)

資格外活動の範囲を超えて就労

「家族滞在」ビザから「定住者」ビザに変更は、「資格外活動」の範囲を超えて就労する場合に認められます。

「定住者」ビザは就労制限がありませんので、変更すれば就職先で様々な業務を行うことが可能になります。

つまり、「資格外活動」の範囲内(1週につき28時間)での就労であれば、「定住者」ビザに変更する必要はありませんので、在留資格の変更は認められないということです。

「資格外活動」については以下の記事で詳しく解説をしています。↓
資格外活動って何?留学生をアルバイトで雇用する時の注意点

動画でも外国人アルバイトの「資格外活動」許可について解説していますので、こちらも参考にしてください。↓
外国人留学生を雇用する時の資格外活動について解説!

家族滞在から定住者に変更する時に必要な手続きは?

家族滞在から定住者に変更する時に必要な手続きは?

上記の要件を満たしていれば、「家族滞在」ビザから「定住者」ビザに変更するための条件を満たしていることになります。

申請については、地方出入国在留管理庁に対して行うことになります。

定住者ビザの変更に必要な書類

「家族滞在」ビザから「定住者」ビザの変更に必要な書類は以下の通りです。

1、在留資格変更許可申請書(在留資格変更許可申請書のひな形

2、写真(縦4cm×横3cm)  1葉
・申請前3か月以内に正面から撮影された無帽、無背景で鮮明なもの。
・写真の裏面に申請人の氏名を記載し、申請書の写真欄に貼付。

3、履歴書(日本において義務教育の大半を修了した経歴について記載のあるもの)

4、日本の小学校及び中学校を卒業していることを証明する書類(卒業証書の写し又は卒業証明書)

5、日本の高等学校を卒業していること又は卒業が見込まれることを証明する書類

6、日本の企業等に雇用されること(内定を含む。)を証明する書類(雇用契約書・労働条件通知書・内定通知書等。内定通知書に雇用期間・雇用形態及び給与の記載がない場合は、これらが分かる求人票等の資料を併せて提出)

7、扶養者による身元保証書(身元保証書のひな形

8、住民票(世帯全員の記載のあるもの) 1通
・発行日から3か月以内のものを提出。

9、パスポートの提示

10、在留カードの提示

11、身分を証する文書等の提示(申請人以外が申請する場合に必要)

などが必要になります。

定住者以外にも特定活動に変更できることも

定住者以外にも特定活動に変更できることも

例えば、父母と一緒に「家族滞在」ビザで日本に来た子供が、来日の時期によっては、上記期間の義務教育を修了していないケースも想定されます。

そのような場合は、以下の要件を満たしていれば、「家族滞在」ビザから「特定活動」ビザに変更することができる可能性があります。

1、現在,在留資格「家族滞在」で日本に滞在していること

2、日本において義務教育の大半を修了していること

3、日本の高等学校を卒業していること又は卒業見込であること

4、就労先が決定(内定を含む)していること

5、住居地の届出等、公的義務を履行していること

家族滞在ビザから特定活動ビザ変更する時の注意点

上述した通り、5つの要件を満たしていることが「家族滞在」ビザから「特定活動」ビザに変更するために必要ですが、注意しなければいけないことがあります。

中学校3年生の概ね1年間は在学していること

子供が「家族滞在」ビザから「特定活動」ビザに変更するためには、中学校3年生の概ね1年間は在学し、中学校・高校を卒業する必要があります。

家族と同居していること

扶養者である父又は母との同居を条件に、「特定活動」の在留資格への変更が認められることになります。

資格外活動の範囲を超えて就労

「家族滞在」ビザから「特定活動」ビザに変更は、「資格外活動」の範囲を超えて就労する場合に認められます。

つまり、「資格外活動」の範囲内(1週につき28時間)での就労であれば、「特定活動」ビザに変更することはできません。

家族滞在から特定活動に変更する時に必要な手続きは?

家族滞在から特定活動に変更する時に必要な手続きは?

上記の要件を満たしていれば、「家族滞在」ビザから「特定活動」ビザに変更するための条件を満たしていることになります。

申請については、地方出入国在留管理庁に対して行うことになります。

特定活動ビザの変更に必要な書類

「家族滞在」ビザから「特定活動」ビザの変更に必要な書類は以下の通りです。

1、在留資格変更許可申請書

2、写真(縦4cm×横3cm)  1葉
・申請前3か月以内に正面から撮影された無帽、無背景で鮮明なもの。
・写真の裏面に申請人の氏名を記載し、申請書の写真欄に貼付。

3、履歴書(日本において義務教育の大半を修了した経歴について記載のあるもの)

4、日本の小学校及び中学校を卒業していることを証明する書類(卒業証書の写し又は卒業証明書)
ただし、小学校については、卒業している方のみ提出。

5、日本の高等学校を卒業していること又は卒業が見込まれることを証明する書類

6、日本の企業等に雇用されること(内定を含む。)を証明する書類(雇用契約書・労働条件通知書・内定通知書等。内定通知書に雇用期間・雇用形態及び給与の記載がない場合は、これらが分かる求人票等の資料を併せて提出)

7、扶養者による身元保証書(身元保証書のひな形

8、住民票(世帯全員の記載のあるもの) 1通
・発行日から3か月以内のものを提出。

9、パスポートの提示

10、在留カードの提示

11、身分を証する文書等の提示(申請人以外が申請する場合に必要)

などが必要になります。

まとめ

家族滞在ビザで日本に来た子供が「定住者」に変更についてのまとめ

今回は、「家族滞在」ビザで日本に来た子供が、日本の小学校等を卒業した場合に変更できる「定住者」ビザ・「特定活動」ビザについて考えてきました。

日本で生活する外国人は年々増えていますので、今後もこのようなケースが増えてくると考えられます。

今回の記事が皆様の参考になれば幸いです。

在留資格全般については以下で詳しく解説をしています。↓
外国人の在留資格制度とは?わかりやすく徹底解説します!

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