外国人が転職した場合等に必要な書類!契約機関に関する届出

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「技術・人文知識・国際業務」などの就労ビザで日本の企業で働いている外国人が、転職等、働いている企業に変更があった場合などは、出入国在留管理庁に届出を行わなければなりません。

この届出を、「契約機関に関する届出」といいます。

そこで、今回はこの「契約機関に関する届出」について考えていきたいと思います。

皆様の参考になれば幸いです。

在留資格全般については、以下の記事で解説をしています。↓
外国人の在留資格についてわかりやすく解説します!

契約機関に関する届出とは?

契約機関に関する届出とは?

例えば、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で日本の企業で働いている外国人が、別の企業に転職した場合に、出入国在留管理庁に届出を行う必要があります。

出入国管理及び難民認定法19条の16第2項では、以下のように規定されています。

出入国管理及び難民認定法19条の16第2項

第19条の16

中長期在留者であつて、次の各号に掲げる在留資格をもつて本邦に在留する者は、当該各号に掲げる在留資格の区分に応じ、当該各号に定める事由が生じたときは、当該事由が生じた日から十四日以内に、法務省令で定める手続により、法務大臣に対し、その旨及び法務省令で定める事項を届け出なければならない。

2,高度専門職(別表第一の二の表の高度専門職の項の下欄第一号イ若しくはロ又は第二号(同号イ又はロに掲げる活動に従事する場合に限る。)に係るものに限る。)、研究、技術・人文知識・国際業務、介護、興行(本邦の公私の機関との契約に基づいて当該在留資格に係る活動に従事する場合に限る。)又は技能 契約の相手方である本邦の公私の機関(高度専門職の在留資格(同表の高度専門職の項の下欄第一号イに係るものに限る。)にあつては、法務大臣が指定する本邦の公私の機関)の名称若しくは所在地の変更若しくはその消滅又は当該機関との契約の終了若しくは新たな契約の締結

と規定されています。

つまり、雇用契約を締結している日本の企業などが、「名称」「所在地」「消滅」「雇用契約の終了」「新しく雇用契約の締結」した場合は、出入国在留管理庁に届出を行う必要があります。

契約機関に関する届出対象になる在留資格は?

契約機関に関する届出対象になる在留資格は?

「契約機関に関する届出」の対象となる在留資格は以下のとおりです。

高度専門職1号イ又はロ、高度専門職2号(イ又は ロ)

・研究

・介護

技術・人文知識・国際業務

・興行(所属機関との契約に基づいて活動に従事する場合に限る。)

技能

上記在留資格で活動をしている外国人が対象になります。

転職した場合にどのような届出が必要になる?

転職した場合にどのような届出が必要になる?

外国人が転職をした場合は、上述したとおり、「契約機関に関する届出」を出入国在留管理庁に対して届出必要があります。

この場合に、必要となる書類は以下のとおりです。

契約の終了

雇用されている企業を退職した場合は、「契約が終了」することになりますので、契約が終了した旨の届出を行う必要があります。

出入国在留管理庁から発表されているひな形を以下に掲載しておきます。

・「契約機関に関する届出(参考様式1の5)

もちろん転職先が決まっていない場合でも、働いている会社を退職した場合は、届出を行わなければなりませんので、必ず届出を行うようにしてください。

また、届出を行なったとしても、3ヶ月間を経過しても、与えられた在留資格における活動をしていない場合は、在留資格の「取り消し事由」に該当しますので、注意が必要です。

在留資格の取り消しについては、以下の記事でも解説をしています。↓
在留資格の取り消し制度について解説していきます!

新たな契約の締結

会社を退職して、新たな会社に転職をした場合は、新たな契約を締結したとして、「契約機関に関する届出」を再度提出する必要があります。

出入国在留管理庁から発表されているひな形を以下に掲載しておきます。

・「契約機関に関する届出(参考様式1の6)

ただし、転職をして「契約機関に関する届出(参考様式1の6)」を提出したとしても、その活動が認められたこととはならないので、注意が必要です。

自身が転職する際に、与えられている在留資格で働くことができるのかが不安な場合は、「就労資格証明書」を発行してもらい確認するという方法もあります。

就労資格証明書については、以下の記事で解説をしています。
就労資格証明書とは?外国人の雇用時に知っておきたいこと

また、転職してくる外国人を雇用する企業も、その外国人が本来働くことができないのに雇用して働かせた場合は、罰則を受けることもありますので、しっかりと確認をしてから雇用することが求められます。

罰則については、以下の記事で解説をしています。↓
罪に問われる?!不法就労の外国人を雇わないために

既に内定をもらっている場合

転職活動を行い、既に次に働く会社が決まっている場合は、現在の会社を退職後、同時に上記届出を行うことができます。

その際に使用する届出書も出入国在留管理庁から発表されていますので、以下にひな形を掲載しておきます。

・「契約機関に関する届出(参考様式1の9)

派遣会社で働いている場合

派遣会社と契約している場合は、派遣元の契約会社が変わったときに上記届出を行えば良いので、派遣先が変わった場合の届出は不要となりますので、注意が必要です。

転職以外で届出が必要なケースはどんなとき?

転職以外で届出が必要なケースはどんなとき?

転職以外で出入国在留管理庁に届出が必要なケースには、

・契約機関の名称変更

・契約機関の所在地変更

・契約機関の消滅

があり、このようなケースでは、「参考様式1の4」の届出を行う必要があります。

届出はいつすればいいの?

届出はいつすればいいの?

上記「契約機関に関する届出」は、事由が発生した日から14日以内に届出を行う必要があります。

ただし、将来発生する予定として届け出られたものは受付できませんので、注意が必要です。

届出はどうすればいい?

届出はどうすればいい?

上記「契約機関に関する届出」は、「最寄りの地方入国管理官署に持参する方法」「郵送による方法」・「電子届出システムによる方法」のいずれかで行うことが可能です。

最寄りの地方入国管理官署に持参

持参する場合は、「契約機関に関する届出」を「在留カード」を持参して、直接提出することになります。

最寄りの出入国在留管理庁は、以下で検索することができます。

出入国在留管理庁ホームページ

郵送による方法

郵送で届出を行う場合は、「契約機関に関する届出」と「在留カードのコピー」を同封して、以下の宛先に郵送する必要があります。

郵送先

〒108-8255
東京都港区港南5-5-30
東京入国管理局在留管理情報部門届出受付担当

電子届出システムによる方法

地方入国管理官署窓口で利用者登録を行うことによって、電子届出システムを利用して、届出を行うことができるようになります。

出入国在留管理庁 電子届出システム

まとめ

外国人が転職をした時などに届出をする書類のまとめ

今回は、外国人が転職をした時などに、届出をする書類について考えてきました。

経営・ 管理」ビザや「技能実習」の在留資格の場合は、届出の様式が異なりますので、自身が所属している機関に変更があった場合は、どのような書類が必要になるのか?ということを確認して、確実に届出を行うことが求められます。

今回の記事が皆様の参考になれば幸いです。

在留資格手続きのオンライン申請についても、以下の記事で解説をしていますので参考にしてください。↓
在留資格手続きのオンライン申請について解説!

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